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マリーヌ・ルペンが大統領になったら、フランスはEUを離脱するの?


フランス大統領選挙の現状

フランス大統領選挙は2017年4月23日(日)と5月7日(日)に予定されています。

最近の世論調査では、極右政党、国民戦線(FN)の党首、マリーヌ・ルペンが1位を獲得しました。ルペンは大統領に当選したらEU離脱、ユーロ離脱の国民投票を行うことを掲げています。

実際には、ルペンが当選する確率は低い、というのが大方の見方です。

フランス大統領選挙は、1回目の選挙で過半数を獲得する候補が現れなかった場合、上位2名による決選投票が行われます。

1956年以降、1回目の選挙で大統領が決まったことはありません。

フランス国民は、1回目では保守的な有力候補に反対票を投じ、2回目の決選投票では急に保守的になることで知られています。

今回、1回目の投票では勢いのあるマリーヌ・ルペンが1位通過する可能性が高そうです。2位は中道・無党派の前経済相マクロンか、右派統一候補のフィヨンとなりそうです。

決選投票の組み合わせは、ルペンvsマクロン、ルペンvsフィヨンが考えられますが、いずれの場合でも、ルペンの当選確率は低いと考えられています。

この辺の選挙事情は以前の記事、フランス大統領選挙って、どうなってるの?に書きました。

ルペンが大統領になったら、フランスのEU離脱はあり得るか?

さて、ルペンが大統領になる可能性は低そうですが、昨年のイギリスのブレグジットや、アメリカのトランプ大統領当選などのように、何が起こるか分かりません。対立候補のスキャンダルなどで、ルペンが勢いで大統領にる可能性もあります。

ルペンは、大統領になったら、フランスのEU離脱を問う国民投票を行う、と掲げています。

そうなると、気になるのは「フランスのEU離脱はあり得るのか?」という点です。

結論から言うと、フランスのEU離脱は可能だが、実現のハードルは、大統領選挙での当選とは比べ物にならないくらい高いです。

フランスのEU離脱には憲法の改正が必要

フランス憲法には、EU加盟が明記されています。つまり、EU離脱をするためには、憲法の改正が必要になります。

憲法改正を問う国民投票が実施された場合は、有効投票の過半数の賛成を得れば、改正案が成立します。

しかし、憲法改正国民投票を行うには、まず、首相が憲法改正案を提案し、議会の上下両院が、改正案の文言を一言一句変えずに承認する必要があります。

この上院、下院、両方の承認を得るというのが非常に高いハードルです。

議会選挙は6月に予定されていますが、ルペンの国民戦線が最大議席を抑える可能性は、現時点では非常に低いと見られています。特に上院議員の任期は6年あり、1回の改選は議席の半分にとどまります。

つまり、そもそも憲法改正のための国民投票を実現できる見込みが極めて低いのです。

フランスのユーロ離脱はあり得るの?

ユーロ加盟はEU加盟とは異なり、憲法に明記されていません。そのため、EU離脱に比べれば容易です。

国民投票を行うには、通常のやり方では憲法改正と同様、議会を通す必要があるので実現性が低いです。

別の方法として、議員の5分の1、そして、有権者の10分の1の支持を集めれば、国民投票を行うことができます。

有権者の10分の1の署名を集めるのは大変なことですが、上下両院を通過させるよりは可能性があります。

投資家の方へ

ルペンが大統領になった場合でも、EU離脱やユーロ離脱は簡単には実現しなさそうです。ただし、EU離脱やユーロ離脱の可能性がある、という事自体がリスク要因になるので、注意しましょう。

参考

コラム:ルペン氏公約の国民投票、実現には高い壁 | ロイター